こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
万博会場の真ん中辺りにある8つのパビリオンは、今回の万博の中でも日本にとってはかなり重要なパビリオンの位置付けになっています。
選ばれた8人のプロデューサーが、5年近い歳月をかけて、ゼロからアイディアを出し、それぞれが、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を形にしたものがパビリオンや、その中で体験出来るコンテンツとなっています。個性豊かなプロデューサーたちだけにパビリオンもコンテンツも一筋縄ではいかないものに仕上がっている様です。
いつくか実際に体験してきましたが、なんとも言葉では表現し難いものばかり。こればかりは見る人がどう思うか、感じるかは、それぞれの感性に委ねるしかなさそうに思いました。
Null²(ヌルヌル)落合陽一プロデューサーが担当したNull²(ヌルヌル)は 全面を薄い鏡が覆っていて巨大な建物になっていますが、その多くは空洞で音を発生させるためのアクチュエーターなどが入っているスペース。コンテンツは中心にある建物の中で体験する様になっていて、CGを最大限駆使した映像が360度に現れてメッセージを発してきます。参加者はコンテンツの中に取り込まれた気分になります。
建物の素材からこのために作り出し、特殊な強化素材を使った鏡や最新鋭のLEDライト、降り注ぐ音響などが融合している不思議空間でした。
建物の外には、このパビリオンを創造するに当たり、落合さんがアイディアを得た物や彼の過去の作品の断片を見られる展示があります。これら一つ一つの過去の作品からのアイディアやパーツを組み合わせた結果が今回のNull²(ヌルヌル)になったそうです。

ここからパビリオンの着想のヒントを得たとか
EARTH MART小山薫堂プロデューサーが担当したEARTH MARTは、食の未来を考えるパビリオン。入場後に最初の空間で見るビデオはエンディングに注目。
そこから先に進むとまず、現代の私たちの食生活を振り返る様な展示が続きます。
どんな食材を取っていて、その過程でどれだけの量を消費しているか、またそれが自然との共存にあまり適していない、というような問いかけを受けます。
その後、移動した先には日本を代表する食材を25品選んで展示し、我々が知識と経験から生み出した和の食材を世界へ広めていこうという取り組みや、子供達が考えた未来のお菓子を実際に具現化した案の紹介などがあり、食はいのちへと繋がる大事なもの、そして未来のいのちにも繋がっていることを考えるメッセージがこめられいます。
いのちめぐる冒険河森正治プロデューサーが担当したいのちめぐる冒険は、自然界にやどるあらゆるいのちの繋がりをデジタルで表現しています。複数のコンテンツがある中、一部しか体験出来なかったのですが、四角い空間で天井から吊るされる柔らかい布の様なものと360度の壁や天井、床を使った映像と音の共演が楽しめます。
いのちの遊び場 クラゲ館中島さち子プロデューサーが担当したいのちの遊び場 クラゲ館は、オープンな作りのパビリオンで、他のパビリオンと違い、かなりアナログ。小山になった部分の上には巨大なクラゲを想定して作られたオブジェクトが鎮座し、周りにはグランドピアノや民族楽器が置かれていたり、シンプルな仕組みのデジタル機器があったりで、子供達がはしゃぎ回って遊べそうなスペースになっています。
この小山の下には3トンもの水が貯蔵されていて、小山の側面を流れる水がサーキュレーションしていて、その水で周りの温度を下げる効果があるそうです。
また、小山の中(下部?)には空間があり、そこでは音楽のライブパフォーマンスがま日行われ、世界中のお祭りで踊られる様々な踊りの様子が映像で360度の壁面に映し出され、その中で参加者も一緒に踊って楽しめる様になっています。
とにかく楽しいことを集めたパビリオンと言った感じです。
Better Co-Being宮田裕章プロデューサーが担当したBetter Co-Beingは、他のパビリオンとは根本から違って、建物はなく自然の空間を利用して樹木の間にオブジェクトを設置してその中を移動しながら体験してもらう様な作りになっています。
意図的に雨を降らせたのと同じ状況を作り出し、本物の虹を描き出したり、季節や天候、時間帯によって変わる自然と、訪れた人々が響き合いながら共に未来に向かう場になることを目指しているそうです。
いのちの未来石黒浩プロデューサーが担当したいのちの未来は、技術が支え、技術が設計するいのちとしてアンドロイドを多数取り揃えて展示しています。そのアンドロイドたちが会話をしたり、ダンスをしたり、ピアノを弾いたり。
また館内の構成としては、小学生くらいの女の子とおばあさんが万博会場へ向かって旅することからスタートするストーリーが展開されて、そのストーリーをおいつつ館内を移動していき、最後には50年後のアンドロイドであり、もしかしたら私たちの未来の姿かもしれない存在のパフォーマンスを見ることが出来ます。
Dialogue Theater – いのちのあかし –河瀨直美プロデューサーが担当したDialogue Theater – いのちのあかし -は、奈良県で廃校になった学校と、福知山市からも建物を移築して、それらの建物を補強やディスプレイの観点から改造したそうです。
メインとなる元学校の建物の中では、東京にいる人物と遠隔で会話をするイベントが行われ、話し合うことで見知らぬ者同士が会話を通してお互いを理解し、仲良くなっていく、という体験が出来、その場にいる他の参加者はこの体験を通して、会話の重要性や会話によってどんなことがもたらせられるかなどを実感出来る様になっています。
廃校を潰して廃材にしてしまう代わりに、ここに移築し再利用することで新たな目的や価値を生み出す貴重な取り組みで、周りに植えられた樹木や花々との共生も見逃せないポイントとなっています。
いのち動的平衡館福岡伸一プロデューサーが担当したいのち動的平衡館だけは時間切れで回れず。ただ、以前に中心となる部分が完成した際のお披露目会で実機を見学させてもらっていたのですが、その時見たものは、細い棒状のものに無数の小さなLEDライトを取り付けて、それらをコンピューターで制御して光らせることで様々な動物やモノを表現し、音楽と合わせてストーリーを展開していく内容でした。
各者各様に創意工夫して万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」を表現していることがよくわかります。ただどのパビリオンも単純明快という内容ではないので、メッセージを受け取る各自がそれぞれの創造性を働かして、自分なりのメッセージを受け取れたら良いのではないかと思います。
各パビリオンとも予約が必要なので、興味のある方はぜひ予約して行ってみて下さい。


