豪州から来た「失敗してもいいよ」と教えるサイエンスショー 万博ストーリーズ

こんにちは、ぱぱ記者Kenです。

5月17日から21日までオーストラリアパビリオンでサイエンスサーカスのパフォーマンスを披露したクエスタコンのメンバー。クエスタコンはオーストラリアの首都キャンベラにあるサイエンスミュージアムなんです。
クエスタコンは、パフォーマンスを通じて、魅力的なSTEM(科学・技術・工学・数学)に関する多様なテーマをわかりやすく紹介していて、万博会場でも参加者や聴衆を沸かせていました。オーストラリア、万博

1980年代、日本がバブルに沸き世界中に投資していた頃、日本政府と民間企業が建設資金の半分を負担して建てられたと言う縁があり、その後も日本科学館や大阪市立科学館などと連携をしてきた経緯を経て、今回の万博でのパフォーマンスに繋がっています。

そんなクエスタコンのパフォーマー(リダーのキャットさん、ジェードさん、ダンさん)にステージの合間の時間を借りて色々とお話しを聞いてみました。ちなみにクエスタコンには200名以上のパフォーマーがいて、皆が日本に来たいと思っているらしく、ここにいるのは選ばれし超ラッキーな面々。

オーストラリア、万博

左からジェード、キャット、ダン

キャットさんは「クエスタコンでは、サイエンスはエキサイティングで楽しいもの、と言う前提があります。だから私たちのショーをみて、舞台で披露した実験パフォーマンスの内容があまりよく理解出来なくても、サイエンスって何か楽しいな、このショーは楽しかった、と思って貰えたら、それはこのショーが成功したと言うことなんです」と説明してくれました。
サイエンス的なコンセプトを理解しなくても、「サイエンスは楽しい」と感じた人は、そうでない人よりも頻繁に普段の生活の中でサイエンス的なスキルを利用する傾向にあるそうです。知らないうちにサイエンスの知識やスキルを生活に活用していくことで、サイエンスがより身近になっていくのでしょう。

また、キャットさんは「クエスタコンに限らず全てのサイエンスミュージアムは、興味を掻き立てて好奇心を焚き付けることを目指していて、それはJourney of Curiosity(好奇心の旅路)なんです」と教えてくれました。

3人の話の中で最も注目したのは、「失敗することは大事だ」と言うこと。日本では失敗しないように努力し、「失敗したらアウト」のような風潮ですが、それとは真っ向から対立する考え方です。彼らは舞台上のパフォーマンスで、サイエンスをテーマに様々な実験をみせるのですが、その際に実験が必ず成功するのではなく、ユニークな表現を盛り込みながら、ワザと失敗したりします。そしてそれを参加者の子供達に指摘させて、何がダメだったのかを説明してもらうのです。オーストラリア、万博

これは、成功したことをみせるだけよりも、失敗したことの原因をわざわざ説明させることで、参加者がより深い理解を得られる様に考え出されたやり方なのです。そして、失敗して、失敗して、を繰り返すことで、考える力や創造力を高めていくことにも役立ちます。また失敗することはダメなことではなく、成功するためのプロセスの一部であって、その一連の学びのプロセス自体に価値があり、途中にある「一つの失敗」自体は学びのプロセスの一つとして必要なものだと捉えているのです。

「クエスタコンのパフォーマンスやサイエンスショーをみて、サイエンスは面白いと思って、興味を持ったり好奇心を刺激された人がそれから10年、15年後に科学者になっているかもしれない。そのために私たちはパフォーマンスしている」と3人が声を揃えて語っていました。 オーストラリア、万博

クエスタコンの目標は、普段触れている日常のモノや出来事がサイエンスと繋がることに気づいてもらい、サイエンスに興味を持ったり、好奇心を刺激することに繋がっていくキッカケを提供すること。

そのキッカケを得た例がパフォーマーのジェードさん。彼女は子供の頃からクエスタコンを見て育ったので「今ここにいる」と語っています。子供の頃から何度もクエスタコンに通い、サイエンスに触れていく中で、彼女の好奇心は刺激され、この道に進むことに決めたそうです。ただ彼女は科学者でもサイエンスを大学などで学んだわけでもなく、演劇を学んできたので、舞台でのパフォーマンスでは彼女なりの役割を持っています。この様な幅広い人選を行っているのもクエスタコンの特徴の一つです。

また科学の分野で博士号を取得できる位置にいたダンさんは、おじいさんがクエスタコンでボランティアをしていた縁でクエスタコンに接する機会があったそうです。その後大学でもサイエンスを学び、博士号を取得して学者になる道もあったのですが、研究を続けるよりも子供たちの好奇心を刺激することに意義を見出して、クエスタコンで働くことを選択して今に至っているそうです。オーストラリア、万博

キャットさんいわく「全ての人はある意味すでに科学者なんです。なぜならサイエンスとは、疑問を持つこと推論を立てること、そしてそれを試すこと、の3つで出来上がっているので、どんな人でも必ず何かに対して疑問を持ったことがあるはずだから、その人はもう科学者と言えるのです」と。

こうしてクエスタコンは多くの人生に影響を与え、未来の選択肢を提供しています。万博の会場でクエスタコンのパフォーマンスをみたことで、科学に目覚めたり、興味を持つ子どもがいたら、それはクエスタコンがその未来の可能性を広げたと言うことです。

そんなクエスタコンのサイエンスサーカスの次回公演は、オーストラリアパビリオンの前庭のステージで7月18日〜22日に開催予定。次回来日するパフォーマーは今回のメンバーとは違う人たちが選ばれるそうなので、今回に負けないパフォーマンスを見せてくれるはずですから、絶対に見逃さないで下さい。特に子供達に刺激を与えたい親御さん、学校を休んでも見せる価値ありです。

FavoriteLoadingお気に入りに追加

おススメの記事はこちら

  1. 小さいお子さんのママ必見! 生野区のイベント調べました

  2. Time Out Market、TOM CAT BAKERY、BIO-RAL(ビオラル)

    Time Out Marketの外側にも注目!  TOM CAT BAKERYとBIO-RAL(ビオラル)も見逃すな!!

  3. 月は好きですか? 月光浴『月夜の晩に』

  4. 【京たんば花火大会】関西で穴場の花火大会を探して(京都府)

  5. 【イベント告知】もりのみやキューズモールBASEぱん&スイーツまつり

  6. ROOTS

     鶴見区〔クーポンあり〕完全プライベート サロンHair Roots(ヘア ルーツ)

 

スポンサーリンク