こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
先日、阪急百貨店での新商品お披露目会で見かけた蜂蜜から作ったお酒MEAD(ミード)を、製造元で改めてお披露目するということで、醸造所併設のミードサロンへ行ってきました。
古民家を大々的に改装して作られた京都蜂蜜酒醸造所は京都市中京区にあり、ミードサロンは普段は一般向けには開放しておらず、ワークショップや醸造所内の見学、試飲会などに使用するそうです。
今回は、そのミードサロンのカウンター越しに蜂蜜酒「The MEAD」やMEADというお酒についてお話を聞き、試飲させてもらいました。
MEADという蜂蜜から作ったお酒は、欧米、特にヨーロッパでは広く普及していて、多くの人が飲んでいるアルコール飲料だそうです。地域によっては自宅で蜂蜜に水とイースト菌などの酵母を入れて発酵させて独自のMEADを作るケースもあり、日本の梅酒や濁酒に近い存在ともいえそう。
京都蜂蜜酒醸造所を運営しているのは蜂蜜を専門に扱ってきた金市商店。そこの3代目の市川拓三郎さんは、社長として会社経営をしながら、ハニーハンターとして世界中を飛び回り、最高の蜂蜜を探し求める日々を送っていて、年間で地球1.3周分の距離を駆け回って何百種類もの蜂蜜を食べているほど。
そんな市川さんが海外で目にしたのが蜂蜜のお酒MEAD。MEADに惚れ込んだ市川さんは、最初ヨーロッパから現地のMEADを輸入して販売してみました。その後、伝手を辿って紹介してもらった京都の酒蔵に自分が厳選した蜂蜜を持ち込み、独自のMEADを生産してもらって販売しました。
苦戦しつつも前には進んでいましたが、やはり思い描いた様なMEADが出来なかったので、市川さんは思い切って醸造のライセンスまで取得し、古民家を買い取って大改装をして自分の醸造所を建てて、思い描いたMEADを製造することに。
その結果誕生したのが「The MEAD」という蜂蜜酒で、先日の阪急百貨店でのお披露目会と今回試飲させて頂いたモノになります。
日本国内でもMEADを製造している蔵は20程度あるそうですが、他社のMEADはアルコール度数が高いものもあり、よりお酒という味なのですが、京都蜂蜜醸造所のThe MEADはアルコール度数を7%に抑え、より蜂蜜の味が強く出る様にしているのでかなり甘いお酒となっています。そのため、辛口のお酒が好きな人には向かないかもしれませんが、お酒を飲まない様な人でも美味しく飲める口当たりに仕上がっています。
蜂蜜で作っているからと言って、ハチミツの様にドロっとしているわけでは無く、そこはお酒として飲めるようにサラッとした液体ですが、口当たりや残余感はかなり強く、ガブガブ飲むようなものでなく、高級なお酒の様に少しずつ味わって嗜むような飲み方が適していそう。そのため、販売されるボトルは、720mlではなく500mlを採用。
今後、蜂蜜酒シリーズ企画を予定していて、関西各地で収穫された蜂蜜を使ったMEADを販売予定。第一弾は地元京都で採れた蜂蜜を使った「The MEAD 京都」を10月26日から販売開始し、第二弾は大阪府柏原市産のさくら蜂蜜を使用した「The MEAD 桜」を年度末から年始時期を目処に販売予定。
兵庫や奈良、和歌山の取引先などから声をかけてもらっているそうなので、今後順次各県の蜂蜜を使ったThe MEADの新しいバージョンを生産していく予定とのことでした。
実際に試飲した感想は、まず美味しい。アルコール度数が低い上に甘さが前面で出ているので酒好きや酒に強くない人には飲みやすいので、飲む人の裾野を広げられそう。
自宅で食前酒として飲んだり、料理に合わせてもグッド。辛い料理と合わせる案が幾つか出ていましたが、私は逆に甘いものと合わせても面白いかも、と思いました。
蜂蜜で生産しているので、香りは蜂蜜の香りがします。しかしこれは使う蜂蜜によって変わるので、甘い香りもあれば、独特な香りの場合もあるそうです。
The MEADは、百花蜜を使用しているので、複数の花の蜜が融合されています。そのため甘いというより深い味わいのある香りでした。表現が難しいので気になる方はご自分で試してみて下さい。
また日本酒の新酒の様に、出来立てのMEADは早めに飲むことをお薦めしています。
これは生産過程でそういう飲み方を前提に生産しているから新酒のうちに飲むのが一番美味しく飲めるため。一度封を切ったら大体1ヶ月くらいで飲み干すのが良いそうです。
今後は長期間熟成させる古酒やビンテージ物の生産も行ってみたいとのことだったので、何年か後にはドロッとしたMEADが登場するかも。
MEADの生産工程には、日本酒の様に米を洗って蒸して、室で麹菌を馴染ませて寝かせる、という工程がなく、蜂蜜と水を合わせてタンクに入れてワイン酵母を加えて発酵させるだけで完成するので、生産工程は大体1ヶ月程度と早いのが特徴。
簡単そうに聞こえますが、だからこその難しさも当然あるそうで、最初の仕込みは悪戦苦闘したそうです。
京都蜂蜜酒醸造所のホームページを見るとMEADについてのセミナーやワークショップの予定が掲載されているので興味のある方はチェックしてみて下さい。
また、10月26日には、FULALI KYOBASHIで開催されるサケモノガタリというイベントに出店されるので、京橋でMEADを味わえます。
現在各地のイベントなどにも積極的に参加しているので、MEADの認知度が上がるにつれて取り扱う飲食店も少しずつ増えてきているそうです。
金市商店が直営している蜂蜜専門店ミールミィ(京都市中京区)や京都高島屋地下1階と阪急うめだ店地下2階では常時ボトル入りのMEADを販売しているのでボトルで購入してみたい人は店舗や売り場へ行ってみて下さい。
MEAD。今後様々な場面でこの言葉を聞く機会が増えていく予感がします。
醸造所情報
京都蜂蜜酒醸造所 | |
住所 | 京都市中京区室町通丸太町下ル道場町18 |
公式HP | https://kyoto-mead.jp/ |
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