こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
1716年創業の奈良の老舗・株式会社中川政七商店(奈良県奈良市)は、運営する複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」の開業5周年を迎えるにあたり、2026年4月から12月まで1年を通したアニバーサリーイベントを開催しているが、その第3弾として古代米の餅つきなどを楽しむ「秋の収穫祭」を9月18日から1月30日まで開催する。
春の「鹿づくし、春の祭典」、夏の「涼づくし、奈良の新・避暑地」に続く第3弾のテーマは「古代の秋を、いただきます」で、その内容の一部がメディア向けに先行公開され、餅つきやふきんづくりを体験した。
鹿猿狐ビルヂングの前に石臼を設置し、来館するお客さんに杵を握ってもちつきに挑戦してもらうというもので、この日は参加したメディアの関係者が順番に杵を振り上げて餅をついた。
つきあがった餅は皆で切り分け、出来立てをその場で味わう流れになっている。
取材時は初めての試みということもあり、餅の粘り気の具合が微妙で、小分けして丸める際に手にくっついて苦戦した。

できたお餅はその場で試食したが、古代米や赤米を使用しているためかシンプルな味わいで美味しくいただいた。
餅つきを選んだ理由は、昨今、食べ物が何で出来ているかを考えたり知る機会が減っていることを懸念して、米がお餅へと姿を変えていく過程に触れ、お餅がお米で出来ていることを知り、また、つくる手間を理解して欲しいと考えたから。
ちなみになぜ秋に餅つきかというと、秋の収穫を祝い、その年の実りに感謝する宮中行事「新嘗祭」にちなんでいる。
餅つきは、9月19日(土)、26日(土)、10月10日(土)、17日(土)、31日(土)、11月3日(祝)、14日(土)、21日(土)に開催。 開催時間は午前11時から午後3時まで。参加料は無料で、予約は不要。
次の体験は、奈良の秋を持ち帰るワークショップ「かや織ふきんづくり」。
鹿猿狐ビルヂングの2階へ移動し、そこで、奈良土産の定番として親しまれる「かや織ふきん」に、柿の葉寿司や柿、赤膚焼など、奈良の食文化を感じるモチーフのスタンプを押して、自分だけの一枚をつくるワークショップを体験した。
スタンプを自由に組み合わせて、ペタペタと押す作業は単純ながらなかなか楽しい。皆、黙々とスタンプの絵柄とふきんを順番に眺めて押し続けていた。
最終的には世界に一つだけのデザインに出来上がる。持ち帰ってアイロンを当てると完成で、そのあとは水に濡らしてもインクが落ちないという。

開催日は、土日祝中心で、9月18日から23日、26日、27日、10月3日、4日、10日から12日、17日、18日、24日、25日、31日、11月1日から3日、7日、8日、14日、15日、21日から23日、28日、29日。開催時間は午前11時から午後6時(最終受付17:30)。参加料は550円(税込)。
そのあと、同じ敷地内にある「茶論」で和菓子と抹茶のセットを試食。
抹茶は器に抹茶を入れて茶筅で点てて飲むという体験と一体型になっている。
和菓子は、「焼き栗のような 栗きんとん」で、古代から人々に親しまれてきた栗を、奈良町の名店「萬御菓子誂處 樫舎」で特別な御菓子に仕立ててもらっている。使うのは、豊かな香りと濃厚な甘みを持ち、「栗の王様」とも呼ばれる利平栗。丹波大納言小豆を栗餡で包み、その表面を職人がコテで一つひとつ焼き上げ、まるで「焼き栗」のような姿に。表面を焼くことで香ばしい風味が出て、味覚だけでなく嗅覚も刺激される。
使用される器にもこだわりがあり、器の形状を陶芸家と話し合い、飲みやすい形にカスタマイズしてもらっている。
ここで使用された器などは店内で販売もしているので、気に入ったら購入も可能。

餅つきの際にも赤米を混ぜた古代米を使用したが、それらを使って焼き上げられたのが「しかじか 米こがし」。奈良県産の赤米を生地に練り込み、カリッと香ばしく焼き上げた鹿型のスナック菓子で、他で食べたことのないような不思議な食感。これまで販売されていた関西らしい旨みが広がる「だし醤油」、千年以上前につくられていた乳製品“蘇”をイメージした、クリーミーで上品な甘さの「古代チーズ」に加えて、 ぴりりとした辛みがアクセントの秋冬限定「わさび」が追加された。

鹿猿狐ビルヂング内には他にも中川政七商店の創業からの歴史を振り返る品々が公開されている蔵があったり、祖業でも取り扱っていた良質な生地や、現代にマッチしたオシャレな小物や生活雑貨などが販売されていて、歴史を学びながら、ショッピングや飲食も楽しめる。建物内には観光案内所「奈良風土案内所」なども置かれているので、ワンストップオールで活用出来る便利な場所ともいえそうだ。

取材中、茶論には次々とお客さんが入って来られて、和菓子と抹茶を楽しんでいたし、ふきん作りを体験した鹿猿狐ビルヂング内にあるギフトショップもそれなりに人がいた。
餅つきを行った通りは、細く表通りなどではないが、それでもそこそこの人の流れがあり、現在奈良が注目を集めていることを感じられた。
その背景には、2026年7月の「飛鳥・藤原の宮都」が世界文化遺産へ登録されたが、奈良には日本で最初に登録された世界文化遺産もあり、最新の登録と合わせて、奈良は実は世界遺産の数が日本一多い県であることも関係しているかもしれない。
知らない間に、訪れる理由に事欠かないほどに盛り上がっている奈良で、秋の週末を過ごすのも悪くなさそうだ。

お気に入りに追加 







