こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
大阪で初となる大規模企画展「sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一」が、2025年8月30日(土)より、グラングリーン大阪うめきた公園内『VS.(ヴイエス) 』で開催されます。
バジェと呼ばれる音響彫刻が広々と配置されていて、その見慣れない姿とどうやって演奏するのか、どんな音が出るのか、と疑問とともに興味をそそられます。

高木フォーン

Apres Baschet RS001

池田フォーン

川上フォーン
また坂本龍一愛用のピアノが彼の演奏データを元に自動演奏され、その背景には本人の映像が流されていたり、彼が個人的に収集していた書籍の一部を「坂本図書館」として棚に並べ、来場者が自由に見られるようにしていたり、真っ暗な部屋で彼の音楽に身を委ねてみたり、幾つかのインスタレーションも展示されていて、坂本ワールドを5感全てで体感できる展示会になっています。
18歳だった坂本龍一は、1970年、「人類の進歩と調和」をテーマに掲げた大阪万博で、多彩な音楽やアートに触れて、感性を大きく刺激されました。各パビリオンで流れる音楽の多くは、無調による前衛的な電子音楽でしたが、「ペプシ館」では中谷芙二子による霧の彫刻、クセナキスが「鉄鋼館」のために《Hibiki Hana Ma(響き・花・間)》を制作し、同じ会場にはフランソワ・バシェの音響彫刻が展示されていました。後に創作活動に深い影響を与えることになる出会いは1970年の大阪万博にあったのです。当時、注目を集め始めていたシンセサイザー電子音楽の世界も、坂本にとって大きな刺激となりました。
2025年、再び大阪で万博が開催されるこの年に、若き日の坂本龍一が受けた刺激と、彼が遺したものを共有化する試みとして始動した「sakamotocommon」を通じて次世代のクリエイターたちへ届けられないだろうか、と考えたのがこのプロジェクトです。
「sakamotocommon」(サカモトコモン)とは、坂本龍一の知的・物質的遺産のコモン化(共有化)を目指し、未来のクリエイターのために利活用することを目指しているもので、若い世代にとっては非常に貴重な体験ができる展示会です。
坂本龍一は、完成した作品よりも、「プロセスが面白い」と常に語っており、制作中の作品にもスポットを当てたり、今回の展示会では次の世代のクリエイターが、何かしらのヒントを得て、そこから新しいものを生み出すというプロセスの途中だと考えることも出来ます。
坂本龍一の自由な発想や枠を設けない創造性から刺激を受けて、新たなクリエイティブ作品が生み出されることが期待される。
会場内のショップでは、様々なグッズが販売されていますが、その中には未発表音源を会場限定でLP盤として発売しています。
“Ryuichi Sakamoto: Playing the Baschet” は、同企画展の開催を記念し、坂本龍一がバシェ音響彫刻を演奏した音源を収録したLP盤。この作品は、生前の2016年、2018年、2020年に坂本龍一が演奏した、バシェの音響彫刻の音源をまとめたもので、没後はじめてリリースされる未発表音源です。1970年の大阪万博で18歳の彼が出会ったバシェの音響彫刻に、46年の時を経てふたたび出会い、演奏し、録音させてもらい、本人にとっても「宝物」になったというその貴重な演奏の結晶です。数量限定販売。
関連イベントとして9月14日、19時からうめきた公園ローとハートスクエアうめきたにおいて、「Ryuichi Sakamoto | Opus」を上映します。
Opusは、坂本龍一最後のピアノそろ演奏を収めたフィルムコンサートで、2年以上に及ぶ闘病生活の末、亡くなる半年前の2022年9月に、全身全霊を込めて8日間かけて呪録されたもの。全20曲が収録されていて、観覧は誰でも無料で参加できる一夜限りのスペシャルプログラム。
イベント情報
Sakamotocommon OSAKA 1970/2025/大阪/坂本龍一 | |
場所 | VS.(グラングリーン大阪 うめきた公園 ノースパーク VS.) |
会期 | 8月30日(土) ~9月27日(土) |
休館日 | 会期中無休 |
開館時間 | 10:00 – 20:00 ※最終入場時間 19:30 |
チケット料金(税込) | 一般:2,500円 18歳以下:1,100円 大学生/専門学校生:2,000円 障がい者割引:1,100円 ※同伴者1名まで同額 |
オフィシャルサイト | https://vsvs.jp/exhibitions/sakamotocommon-osaka/ |

