こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
脱炭素・再生可能エネルギーの先進国であるチリパビリオンは、8月25日〜29日の間を「クリーンエネルギーとH2Vウィーク」として、グリーン水素を中心とした現在および将来の投資プロジェクトと、気候変動に立ち向かう中小企業の技術ソリューションについて紹介するイベントなどを開催しています。
その中で25日に開催されたワークショップに参加してきました。
ワークショップでは、チリの再生可能エネルギーについての話が中心で、化石燃料を輸入して、それをエネルギー生産の主要燃料として使っている日本と似た点があることや、チリの再生可能エネルギーは太陽光と風力発電が中心で、再生可能エネルギーの先進国となることを目指している点などが紹介されました。
日本はエネルギー全体に占める再生可能エネルギーの利用率は34%ですが、チリの利用率は71%で、再生エネルギー利用率はかなり高いのですが、両国ではその発電量に11倍の差があるため、割合ではチリの方が圧倒的に高くても、絶対量となると日本の方が遥かに多く再生可能エネルギーを利用しています。
また、日本全体のエネルギー使用量の22%が再生可能エネルギーで、残りが化石燃料で賄われていて、化石燃料のうち98%は輸入に頼っていて、GDPの6%を占めます。チリで使用される全てのエネルギーのうち、化石燃料で賄われている部分が60%(飛行機や自動車の燃料や工場などで使用されるガソリンや重油など)、電気で賄われているのが30%、残りはバイオマスで賄われていて、化石燃料の大部分は輸入に頼っていて、GDPの3%を占めています。
再生可能エネルギーを太陽光や風力などの地元で確保できる資源を使って生産していくことで、化石燃料の輸入に頼らなくてよくなり、最終的には80から90%を再生可能エネルギーでエネルギー消費を賄える様になることが目標だそうです。
チリにおける太陽光発電に関していうと、チリは太陽の日照量が世界一多い国であり、チリの北部にある砂漠では、空気が澄んでいるので太陽光発電に適していることから、大規模な太陽光パネルの設置によって、広大な大地で高効率の発電を行っています。
日照時間で見ると、チリでは年間3000時間もあり、東京の2倍近い時間になるので、正しく太陽光電に適していると言えます。
チリでは2014年頃から太陽光発電が始まり、10年後には50倍の規模に成長し、重要な発電方法となっています。現在、国内全土で太陽光発電が行われていて、先の砂漠地帯での大規模なものから、家庭の屋根などの小規模、個人レベルでのものまで幅広く発電が行われています。
また、太陽光発電は自然災害の被災地の復興にも役にたつものなので、そう言う状況での利用も積極的に進めていく計画とのことでした。
日本もチリもクリーンで安全なエネルギーを求めているので協力のチャンスがある、と日本に大きな期待を寄せていました。
特に、家庭に自家発電の装置が設置出来れば効率よく発電できる様になるため、家庭ので自家発電を広く普及させるために、日本の技術が役に立つだろうと考えている様です。
また、チリでは、太陽光を使ってグリーン水素を生成することも推進していて、グリーン水素を使って世界へ打って出たいとも考えています。
日照時間が長く、太陽光発電に適した環境にあるため、太陽光発電を取り入れることで、電気代の節約に繋がり、電気自動車などの電気を主エネルギーにする製品の発展にも寄与するはずだと考えているとのことでした。
日照時間が日本と比べて遥かに多いので、チリでは太陽光発電は日本よりも向いているのかもしれません。
ただ、日本がこれから直面する太陽光パネルの廃棄問題に関しては、まだ10年以上の猶予があるので、あまりシリアスな課題として捉えられている感はなく、中古でも効率が落ちたものでも再利用して使える方法がある、であったり、粉砕して違う製品として再利用したりすれば大丈夫なのでは、という考えだったので、これから日本がどう廃棄パネルに対処していくかをみて、対策を考えておいてもらいたいものです。
チリパビリオンでは、今回の「クリーンエネルギーとH2Vウィーク」の後にも様々なテーマのウィークリーイベントが用意されているので、興味のあるものがあれば、積極的に参加してみて下さい。
いつも難しい話ばかりしているわけではなく、チリワインウィークではチリ産ワインが、クリエイティブ産業ウィークではビデオゲームなどが登場する予定です。
9月1日〜6日|女性の国、チリ
多様で民主的なチリを支える女性たちの物語を通じて、チリの魅力を発信。フェミニスト外交政策(PEF)や女性主導の輸出推進の取り組みにもスポットライトを当てる。
9月15日〜26日|チリワインウィーク
日本でも広く愛されている通り、チリは世界有数のワイン輸出国。国際プロモーションキャンペーン「Taste the Untamed」に沿って、大自然を五感で楽しむチリワインの豊かな魅力を体感。
9月22日〜26日|地球と生物多様性の未来:生物多様性ウィーク
生態系の保全における民間の取り組みを紹介。生物多様性を守ることの国際的な緊急性と、官民・市民社会の連携の重要性を発信。
9月29日〜10月5日|クリエイティブ産業ウィーク
過去・現在・未来をつなぐ芸術表現の旅を通じて来場者に没入体験を提供。ビデオゲーム、ボードゲーム、音楽、グラフィックノベルなど、チリの創作における日本文化の影響を感じることができる。

