こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
現在、京都市京セラ美術館にて「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、 シャガールへ」が好評開催中です。
20世紀初頭、パブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックによって 生み出されたキュビスムは、西洋美術にかつてない変革をもたらしました。西洋画によく見られる写実的な絵画や抽象的な作品とはひと味違った表現方法で、「ブラックは、景観も人物も家々も全てを幾何学的図式やキューブ(立方体)に還元してしまう」と評されたことから、これがキュビスムという名称の起源となったそうです。
伝統的な遠近法や陰影法による空間表現ではなく、幾何学的に平面化された形を用いて画面を構成する試みで、パリの若い芸術家たちに衝撃を与えたキュビスムは、瞬く間に世界中に広まり、以後の芸術の多様な展開に決定的な影響を及ぼしました。
本展は、世界屈指の近現代美術コレクションを誇るパリ ポンピドゥーセンターの所蔵品を中心に約130点を展示する、日本では約50年ぶりとなるキュビスムの大型展覧会です。約40人の作家による初来日作品50点以上を含む絵画や彫刻などにより、20世紀美術の真の出発点となったキュビスムの全貌を紹介します。なかでもピカソのプリミティヴな裸婦像に衝撃を受けて制作されたブラックの重要作《大きな裸婦》(日本初出品)、ポンピドゥーセンターを代表するピカソの傑作《肘掛け椅子に座る女性》は必見です。
また、初来日となる幅4メートルにもおよぶロベール・ドローネーの《パリ市》は、ポンピドゥーセンターを象徴する大作のひとつ。
展示会全体は14のセクションに分けられていて、キュビスムの誕生から、発展、変換や拡張などキュビスムが辿った軌跡を順に追っています。
パリで誕生したキュビスムが西ヨーロッパへ浸透し、その後ロシアや東欧をも巻き込み一時代を築き上げていく変化をみていくことが出来、絵画自体の観賞だけでなく、物語としても興味深く辿れます。
前半では、ポール・セザンヌやアンリ・ルソーの絵画、アフリカの彫刻など、キュビスムの多様な源泉を探る「キュビスムの起源」から 始まり、ピカソとブラックがそれらを大胆に解釈しながら、緊密な共同作業によってまったく新しい絵画を発明する軌跡を追います。後半では、その後のキュビスムの展開に重要な役割を果たしたフェルナン・レジェ、フアン・グリス、ロベール・ドローネー、ソニア・ドローネーら主要画家たち、キュビスムを吸収しながら独自の作風を打ち立てていったマルク・シャガールら国際色豊かで個性的な芸術家たちを紹介します。また、第一次世界大戦という未曽有の惨事を経て、キュビスムを批判的に乗り超えようとするル・コルビュジエらのピュリスム(純粋主義)の運動や、合理性を重視する機械美学が台頭してくるまでを巡っていく構成になっています。
知名度の高い作品が多数展示されているにも関わらず、会場では多くの作品が撮影可能なところも見逃せないポイント。
会期はあと1ヶ月程なので、まだ行けていないと言う方は早めに観賞することをお薦めします!
展示会情報
パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展一美の革命 ビカン、ブラックからドローネー、 シャガールへ The Cubist Revolution An Exhibition from the Collection of the Centre Pompidou, Paris |
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会期 | 2024年3月20日[水・祝]-2024年7月7日[日] |
会場 | 京都市京セラ美術館 |
住所 | 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124 |
展示室 | 京都市京セラ美術館本館北回廊・南回廊1階 |
時間 | 10:00-18:00(入場は17:30まで) |
休館日 | 毎週月曜日 |
TEL | 075-771-4334 |
展覧会公式サイト | https://cubisme.exhn.jp |
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