こんにちは、ぱぱ記者Kenです。

コモンズ館Bに出展しているツバル。温暖化で国土が海面下に沈んでしまうそうな国として知られています。そんなツバルパビリオンには多数の応援する声がポストイットに書かれて貼られています。

ツバルは世界で4番目に小さな国で、人口は11000人。９の島々からなる諸島で国が形成されていて、そのうち人が住めるのは8つ。面積にして26㎢。国土の最高点が海抜4.5メートルしかなく、徐々に海面下に沈んでいっています。

ツバルという国名はツバル語で「8つの島」という意味。母国語はTuvalonというツバル語で、英語は第二外国語として、教育や政府関係、公式行事などで使われています。

国自体はとても美しく、青い海に囲まれて優雅に見えますが、現状のまま温暖化が進行していくと、確実に国土は海面下に沈んで消滅してしまいます。

そのため、温暖化対策を訴えているわけですが、同パビリオンの壁には多くの人のコメントが貼られていて、「がんばれ」とか「沈むな」や「応援してます」と書かれています。

しかし、よく考えて下さい。ツバルが沈んでしまう危機に瀕している原因を作っているのは彼らではなく、私たちです。

ツバルの人たちに「ガンバレ」と言ったところで、彼らに何が出来るのか？工業化しているわけでもなく、先進国のように二酸化炭素を大量に排出しているわけでもなく、電化製品やエアコンを使っているわけでもなければ、自動車もそれほど走っていません。

その彼らに何を頑張らせたいのか？

どちらかというと、頑張るのは私たちではないのか？エアコンの温度を調節したり、自動車に乗るのを控えたり、プラスティックやエネルギーの浪費を控えたり、と私たちにはツバルを守るためにできることはたくさんあるはずです。

バイオプラスティック製品を使ったり、水素エネルギーに変えたり、高くついても自然エネルギーを使用するなどは、たくさんある方法の一部でしょう。

応援するのは素晴らしいことですが、「ツバルが沈むから応援する」というのではあまりに短略的すぎませんか？

もう少し真面目に問題に向き合って、なぜツバルが沈んでしまうのか考えれば「ガンバレ」や「沈むな」がお門違いの応援メッセージであることはわかりそうな気がします。
改めて問題を「他人事」とせずに、なぜツバルが国土が消失する危機に瀕しているのかよく考える機会ではないでしょうか？

生き残りのために頑張っているツバルは、2000年に国連に加盟しましたが、加盟国としてかかる費用を賄うために、同国のドメインである「.tv」を海外のテレビ局や配信プラットフォームに使用させることでライセンス料として年間500万ドル程度を得ています。これは同国のDGPの約10％に当たる大きな収入源になっています。

その資金の一部はデジタル国家設立にも使われています。ツバルはすでに国土が消滅することを受け入れて、現在デジタル国家という形で国を維持して残していこうとしています。自国の文化や伝統などを、テクノロジーの力を借りてデジタルの世界で保存して、後世に残していこうという取り組みで、国際社会に、世界初のデジタル国家を承認してくれるように働きかけています。

寄付をしたり、ツバルに観光に行ってお金を落としたり、ツバル製品を購入したりすることでも同国を支援できるかもしれません。
あなたのできることをしてみましょう。

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