こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
ORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」には外食店以外にも見るべきものがありました。
館内の中心に大きな展示ケースがあり、その中に生花の様に見えるモノが置かれています。実はこれらは、全てお菓子の材料で作られたモノなのです。そのもの自体はアートの域に達しているほどの凄い出来栄え。これらの和の伝統工芸菓子は日本に古来より受け継がれてきた感性や美意識、豊かな自然や歴史、四季の移ろいや花鳥風月を、本物そっくりに表現したものです。
作ったのは全国のお菓子作りの職人さんたち。仕事の合間にボランティアで集まって作ったそうです。菓子研究団体の大阪二六会では、300名ほどの会員の中から約30名が各人それぞれ計40時間近くかけて作品を完成させたそうで、その作業時間の合計は1200時間にも及びます。最後はそれぞれのパーツを壊れないように持ち寄って、ここで組み立てたとか。根気がいる上に神経を使う作業だったのだろうと想像します。

大阪二六会の皆さんが作った力作「虹の煌めき」
他の展示も同様に、全国各地の菓子職人が協力して提供してくれています。
奥にはチョコレートや飴を使って作られた作品も陳列されています。~洋の飴とチョコレートのピエスモンテ~チョコレートと飴で創り出されるピエスモンテは、日本を代表するトップパティシエたちによる、まさに“食べられるアート”。有料の展覧会に置いてあっても全く遜色ない出来栄えでした。
しかし、これらの作品たちは5月12日までしか展示されず、その後は廃棄されてしまうという悲しい話が・・・。部外者からすると非常に勿体ない話で、オークションするとか、引取り手を募集すれば、なんとか残せそうな気もするのですが、素材がお菓子の材料なだけにいつまでもこのままで置いてはおけないのがネックなのかもしれません。
では、お菓子職人さんたちは苦労してなぜこんな凄いものを作ったのかというと、お菓子職人自体が減っていて、技術の伝承が出来なくなって来ているので、こういう機会に広く一般にお菓子職人のことを知ってもらうことと、職人が腕を振るう機会を創出するためだそうです。
また、5月末から北海道の旭川で開催されるお菓子博覧会ではこの様な作品の展示が日本全国から100以上も集まるそうで、見応えは抜群だとか。万博マニアの二神敦さんも「万博だから」ということで大阪万博からお菓子博へ参加するそうです。
それもそのはず、お菓子博は既に100年以上の歴史を持つ日本最古の万博なんです。
普段、日常的に私たちが食べるお菓子を作っている職人さんが長い間研鑽を積んで身につけてきた技を披露する舞台となっているORA外食パビリオン「宴~UTAGE~」。5月12日までで終わってしまうので、それまでに見に行ってみて下さい。本当に細かいところまでよく出来ています。

