こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
スペインと言えば、青い空と情熱の赤、というイメージなんですが、このスペインパビリオンでは、海洋に注目した海の青と、そこから一気に暖かみを感じる太陽のオレンジになる、そんな組み合わせのパビリオンです。
それを表すのが建物の外観とその色。階段部分が大海原で、上から見るとこんな感じで、太陽が海に反射する様子を表現した建物らしいです。
しかし下から見ると、階段を登った奥にあるスクリーンと丸い部分がうまく融合して太陽が水平線に登ってくる(沈んでいく?)様に見えるダイナミックな表現になっていて。夜はもっと幻想的。
階段の下で列を切って、人数を制限しながらグループを作って階段を上がっていくようになっています。このようにするのは、階段を登りながら、写真撮影をしやすくするため。

太陽の広場から振り返って見える大屋根リング
一度に大人数が殺到すると写真が撮れないので、ここから演出が始まっています。
階段を登り切るとその上にまた列が出来ていて、順番を待って館内に入ることになります。
来場者は「太陽の広場」からパビリオンへと入場し、館内に入ると照明を落とした暗い空間に青で統一された世界が待っています。大きな地球儀の表面がデジタルスクリーンで覆われていて、そこに世界地図が描かれています。壁際にはスペインと日本の歴史的関わりや現在スペインが意識していることなど、スペインのブルーエコノミーの豊かさが紹介されています。
その中でスペインは何百年もの遠い昔から日本との関わりがあり、この2国を繋ぐのは黒潮だと紹介され、両国がどのように目に見えない力強い糸によって結ばれてきたのかを説明。
黒潮自体が展示のインスピレーションの源になっているというだけあって、全体を見渡すと潮の流れに乗って流れるように展示物をみていく形になっていることに気付きます。
緩やかな下りになっている通路をくだって折り返すと巨大なスクリーンに現代アーティストによる映像作品が映し出されていたり、その前にはスペインが取り組んでいる自然エネルギーを利用した風力発電のモデルの説明とイラスト、それに加えてホログラムで立体的に表現されています。
その向かいにはスペイン藻類バンクが収集管理している多数の藻類が培養試験管に入って展示されています。海藻は食べるだけでなく、薬やその他利用出来る可能性が広く、海流やカナリア諸島における藻類からのバイオ燃料・化粧品・食品の研究などが紹介されています。
青の空間をからドアを潜ると目を瞑りたくなるほどの明るい世界が登場します。一面オレンジに塗られた壁や床、天井は、スペインのビーチを思わせる空間になっています。ここでは、かつて人々を遠くの地へとつないだスペインの観光ポストカードの魅力が紹介されています。それは、まるで今日の「ポスト」とも言えるものでしょう。
観覧が終わると、ギフトショップとレストランエリアにやってきます。スペインだけにワインやアルコールが目立つギフトショップでした。レストランは観覧の列とは別に、建物右側の奥へ進んでいけば直接外から入れます。
そのレストランは初日から多くの来場者が訪れたそうで、私が訪れた際も昼間は列が出来ていましたが、夜は比較的列が短かった気がします。メニューはコース料理と、スペインの17の自治州とセウタ・メリリャの味を1皿に集めた18種のタパスの2つから選べ、デザートは別途単品でもオーダー出来るようです。
スペインらしく、ビビッドな色の使い方ですが、その中身は他国同様に環境問題に取り組む様子を紹介していて、学びの多い内容でした。特に海洋国であるので、海や水を利用した取り組みや藻類の話は面白い。ゆっくりみて回って欲しいパビリオンでした。

