2019年9月9日未明に上陸した台風15号の影響で、千葉県市原市のゴルフ練習場のネットが、支柱とともに長さ約140メートルにわたって隣接する民家約10棟の上に倒れてしまいました。
幸い死者はおりませんでしたが、こんなことが実際起こるとは思いませんでした。
都島にある「桜宮ゴルフクラブ」では、どのような対策をとっているのか?
関西ゴルフ練習場連盟の理事長も務める、同施設の川崎益彦社長にお話を伺ってきました。
桜宮ゴルフクラブの強風対策は?
そもそも、ネットって隙間があるので、風を通しそうなものですが、ゴルフ練習場のネットはボールが飛び出さないように目が細かく、さらに2重になっているので、風を通しにくく「地震や雨には強いが、風と雪には弱い」という特徴があるそうです。
したがって、風が強いときや雪が降るときは「ネットを下げる」という手段を取ります。
よく見てみると、桜宮ゴルフクラブのポールの上には、風速計が設置されています。
これで常に風速を測定しており、この機械で管理しています。
風速20mを超えると自動でネットが下がる設定になっているそうです。
もちろん、手動で下げることもできるので風が強くなる前に手動でネットを下げます。停電の際にも手動で下げることができます。
今年の8月に大阪に台風が上陸するという予報が出た時も、前日の夜はネットをかなり下までおろしていたそうです。実際、このときの台風はさほど大きくなく、「これなら営業できたのでは?」という規模でしたが、安全を最優先させ、朝から営業を中止しました。
支柱はどれくらい埋め込まれているの?
千葉のゴルフ練習場の支柱倒壊画像を見てみると、根本のビスが折れている支柱もあったようですが、桜宮ゴルフクラブの支柱はどうなのか聞いてみました。
同施設の支柱は、高さが40mあるのですが、地下20m埋め込んでいるそうです。
上の写真でも分かるように、支柱の本数も多く、瞬間最大風速60m(平均風速30m)でも耐えられるそうです。
近くまで寄って見せてもらうと、想像以上の太さでした。
ペンキの塗り替えも定期的に行っているそうです。
「今回の千葉の事故は本来あってはならないことです。ゴルフ練習場は、地域の皆様に愛される場所でなくてはならないと思っているので、安全対策は最優先事項です。毎月ネットの点検を行いますし、練習場のライトが近隣のご迷惑にならないよう、遮光ネットも張っています。定期的にネットとワイヤーの張替え、支柱の点検なども欠かさず行っています。風が強い時にネットを下すのは常識ですし、風が強すぎてネットが支柱に張り付き、機械で下せない場合はワイヤーを切ってでもネットを下します。」と川崎社長。
今回の取材で、桜宮ゴルフクラブの安全性を確認できたのですが、何より川崎社長の地域に対する想いを聞けて良かったです。
みなさんも近くを通った時は、どこに風速計があるか探してみてくださいね♪
≪取材協力≫
桜宮ゴルフクラブ
都島区中野町2丁目3−23
住所:大阪市都島区中野町2-3-23
TEL:06-6882-3553
営業時間 平日:8:00-22:30 土日祝:7:00-22:30
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