こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
先日、あべのハルカス近鉄本店で開催されたフェムケアイベント「Love Myself ! 〜フェムケアの扉を開こう〜」でセミナー講師として登壇された森田敦子さんのお話がなかなか面白かったので、まとめてみました。
初めてのフェムケア入門 〜潤うからだの作り方〜
講師の森田敦子さんは、日本における「フェムケア」「フィトテ ラピー」の第一人者。パリ13大学で植物薬理学・性科学を学んだ植物療法士で、その知識を活かしてWaphyto(ワフィト)とWOMB LABO(ウームラボ)というブランドを手がけて、身体に優しいフェムケア製品を開発。
こういう舞台に慣れている様で、舞台上から女性器について模型を使って際どい話をオープンに展開。ここまで大っぴらに話をされると聞く側も安心し、変なプレッシャーなく聞けるので会場は終始リラックスモードでした。
フェムケアやフェムテックについて話をするとどうしても際どい部分に触れなければいけない状況になりますが、ここで中途半端な話し方やオブラートに包むような説明をすると聞いている方も変な気を使ってしまい、伝わるものも伝わらなくなってしまうので、森田さんのアプローチは素晴らしい。海外での滞在経験のある森田さんにはそれほど難しいことではないかも。
セミナーの内容ですが、まず女性の身体について触れ、デリケートゾーンのケアの仕方などに移って行きます。
冒頭で、女性は出産しないと400から450回の月経があることを改めて強調。その度に女性ホルモンのバランスが代わり体調に変化を及ぼすこと、そしてその女性ホルモンの役割と作用の説明と続きます。例えばエストロゲンとプロゲステロンの効果効能について、これら2つは脳と子宮に直接働きかけること、デリケートゾーンで粘液が出ることは免疫力があるなどです。
話している内容は医学的にも筋の通るものですが、手には写真では出せない精巧な模型を持っての力説でした。
これらの女性の身体の中で起こっている変化や、些細な変化を感じ取り、様々な対応を見せる身体の仕組みを捉えて、森田さんは「女性の体の中にテクノロジーがあって、身体のメカニックスが不調を自動的に知らせてくれる」と説明。
フェムテックは実は女性の身体の中に備わった機能だったのです。
また、粘液美容とはデリケートゾーンのケアであり、「粘液がでる=免疫力がある」ということで、膣粘液をどれだけ出すかで若返りの度合いが変わるとまで言い切っています。膣粘液は、ヒアルロン酸やプロテオグリカンを含むムコ多糖類で、粘質が良いと、髪の毛やお肌の艶がよくなり美容液よりも効果的だと説明しました。
粘液力を高める食材として、牛スジ、鶏肉、プロセスチーズ、海苔、ブロッコリー、オメガ3オイルなどを挙げています。
デリケートゾーンのケアがなぜ大切なのかについては、免疫力アップや冷え性の改善などのHealth、美容やエイジングケアなどのBeautycare、生理痛の軽減、ホルモンバランス、更年期障害などのMenstruation Menopause、膣の萎縮の予防やセックスレスなどのSEX、妊娠や粘液の量などのPregnancy、そして出産や産後の回復などのChildbirthと、大きく分けると6つの項目で様々なことに影響を及ぼし、それらの6つの項目が女性の一生において大きな比重を占めるので、デリケートゾーンをケアすることでかなり違った人生になるかもしれないと説明していました。
森田さんは、フランスで植物学の研究を行って、植物の持つ能力を活用したPhytotherapy(フィトテラピー)という植物療法を奨励しています。植物療法とは、薬理効果を持つ植物の力を利用して、人間が本来持つ自然治癒力に働きかけ、病気の予防やケアをするヨーロッパの伝統療法。漢方薬のヨーロッパ版のようなイメージで良いかと思います。
それらのハーブを飲む、食べる、香る、そして塗るなど様々な使い方があり、エルボリステリアというハーブ専門の薬局で症状に合わせて処方して貰えるのです。
フランスでは日常的にフィトテラピーが行われ、性やデリケートゾーンの悩みなどを隠さず他人と話します。それはフランスではこの様な内容の話は医学の一部であって、日本のような、エロいとかアダルト、卑猥という捉え方をしていないのです。
森田さんが展開するle boisというブランドで扱うデリケートゾーンケア製品は、洗う、潤す、保湿&マッサージとそれぞれに対応したものがあり、デリケートゾーンが萎縮や乾燥しないようにするにはどうしたら良いか、またオイルを使ったマッサージか如何に大事ななどを性科学や婦人科領域の情報として教えてくれます。
最後に出店されていたブランドのスタッフさんに少しだけ今回のフェムケアイベントについて感想を聞いてみました。
☆来場者の印象は、フェムケアについて知らない人が多い☆百貨店という場所柄か40代くらいが多かった☆フェムケア製品がどこで売っているのかわからない、わかりにくい☆来場者は興味は持っているがフェムケア製品について知識が少ない☆東京だとこういうイベントがもっと頻繁にあるし、常設店もあるので知っている人が多いし、こういうモノへの意識も高い☆地方で出店した時に感じたが、地方だとIターンやUターンの人がいて以外と知っている人が多いことがある☆大阪だと月経カップなど馴染み薄い製品だけだと厳しい
元々フェムケアやフェムテックは東京だけが独自の世界で動いていて、その他の地域とは格差があると伝えてきましたが、実はIターンやUターンの影響で若者の間では地方でもフェムケア製品が認知され始めていたりする様です。このままでは大阪は置いてけぼり?
東京に続け、とは思いませんが、女性にとって必要かつより良い日常生活を送るために役立つフェムケア製品なので、もっと多くの人が認識して手にとって実際に使う日が来ることを期待したいです。