こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
開幕から遅れること4日、4月16日に無事にオープンしたチリパビリオン。
私は、13日に行われた関係者向けのイベントでチリパビリオンの中を覗いてきました。
パビリオンの真ん中に大きなスペースをとって展示されているのは、同国の伝統的織物のマクン。チリの女性が手編みで3ヶ月もかけて編みあげたという超貴重なもので、その製作には500キロから700キログラムもの天然の羊毛が使用されています。全体で242平方メートルもあり、チリ最大の先住民族であるマブチェの人々の歴史や文化を形にした織物作品なのです。
このマクンの反対側には空間があり、ここで様々なイベントが開催される予定です。
また、壁一面に貼られている巨大スクリーンではチリの映像が流されていますが、ナショナルデーの頃からは、入館してくる人の動きに合わせて映像が変化する様な仕組みが機能し出すそうで、その魅力がますます高まりそう。
今回は展示物はこのマクンだけで、後は壁に映し出される映像、というシンプルなものでしたが、オープン後は色々と展示物も増えるのではないかと思います。
チリパビリオンの目玉として、チリ名産のワイン、ピスコ(ブドウの蒸留酒)、サイダー、ジン、蒸留酒、ビールといった多彩なアルコール類の常設展示と、5月から毎日午後の1時間限定で楽しめる試飲体験を行うそうで、チリ各地の高品質な酒類を味わい、その土地ならではの風味を発見できるかも。
その他にチリパビリオンが最も力を入れているのは独自に設定している20のテーマウィーク。
これらのテーマウィークでは、チリから代表団が来日し、チリの多様な魅力を発信していきます。未来社会への貢献や命を守る技術として、農業食品(生鮮・ドライフルーツ、肉類、食品イノベーション、小規模農業、養蜂、水産物、ワイン、オリーブオイルなど)、天文学、物流・港湾、スポーツ、鉱業、地震等への防災レジリエンス、テクノロジーとイノベーション、先住民族、エネルギー、生物多様性、観光、女性活躍、クリエイティブエコノミーなど、幅広い分野が紹介される予定だそうです。
以下がチリパビリオン テーマウィーク一覧(20 件)です。
① 5 月 5 日〜11 日|チリ:持続可能な農産物輸出大国
チリの生鮮・ドライフルーツの農業食品の魅力を体験しませんか?この週を通して、チリ産のブドウ、キウイ、ブルーベリー、クルミ、プルーン、アーモンド、冷凍ベリー、ヘーゼルナッツ、オーツ麦、ブドウジュース、フリーズドライ・マキベリーなど、さまざまな製品が試食可能。
② 5 月 19 日〜25 日|無限のイノベーション:宇宙と創造性の果てを探る旅
チリは、イノベーションと創造性の分野で世界的リーダーとしての地位を築いています。特に天文学や人類の知の探求において、科学・技術・芸術を通じてそのリーダーシップを発揮。このテーマウィークでは、宇宙と創造性の二面性を表現するインタラクティブな展示、講演会、その他五感で感じる体験を予定。
③ 5 月 26 日〜31 日|持続可能な農業分野:食肉・乳製品
チリは動物福祉に配慮し、地域の多様性と伝統を尊重した、高品質で持続可能な食肉および乳製品の供給国です。試食から没入型の体験まで、幅広く展開。
④ 6 月 3 日〜7 日|海のウィーク
チリは日本でもよく知られている通り、信頼ある水産物供給国であり、このテーマウィークでは養殖業の発展、革新、持続可能な取り組みを紹介するほか、サーモンやウニなど、最高のチリ産シーフードも堪能出来ます。
⑤ 6 月 9 日〜14 日|動き続けるチリ:物流サービスがつなぐ未来
このテーマウィークでは、アジア市場へチリ製品を届けるロジスティクス企業など、チリの港湾および物流ソリューションを革新的かつ競争力のあるサービスとして日本市場に紹介。
⑥ 6 月 14 日〜18 日|未来のための鉱業
チリは世界最大の銅の輸出国。「命を救う」鉱業というテーマのもと、チリの豊かな地下資源が果たす国際的な役割や、エネルギー転換への貢献、また地質リスク管理における経験を紹介。
⑦ 6 月 23 日〜29 日|観光:無限の旅へ #DISCOVERCHILE
モアイ像のあるイースター島に、アタカマ砂漠の乾燥地帯からパタゴニアの氷のフィヨルドまで、多様な自然景観が魅力のチリ。星空観測やモアイ像探訪など、唯一無二の体験を紹介。
⑧ 6 月 30 日〜7 月 6 日|スポーツ・ウィーク
チリは 2024年オリンピックで金メダルを獲得し、2027年にはスペシャルオリンピックスを主催予定。2036年オリンピック招致にも挑戦しています。スポーツを通じた命を守る力を伝えます。
⑨ 7 月 7 日〜12 日|チリ:世界と共有するレジリエントな防災エコシステム
日本とチリは地震など自然災害の多い国として共通点があります。このテーマウィークは、チリの自然災害への適応と、テクノロジーや官民連携を通じた命を守る取り組みを紹介。
⑩ 7 月 14 日〜20 日|イノベーション・ウィーク
「世界の果ての自然の実験室」としてのチリの取り組みを可視化して紹介。自然環境を生かしながら進められる研究開発と革新技術を体験。
⑪ 7 月 16 日〜20 日|学びと遊び:遊びの創造(MIM プロジェクト)
チリと日本からそれぞれ7名ずつ、計14名の若者が一緒に「遊び」をつくりあげるプロジェクト。未来を「共創」の視点で見つめ、生きとし生けるものすべてが「遊び仲間」になれるという学びを得ることを目的としています。
⑫ 7 月 22 日〜26 日|先住民族の豊かな文化ウィーク
チリが誇る11の先住民族の文化的豊かさをご紹介。食品、工芸品、クリエイティブエコノミー、先住民族観光のほか、先住民族系企業による輸出製品・サービスにも注目。
⑬ 7 月 28 日〜8 月 3 日|食の遺産ウィーク
チリの地理的・文化的多様性が生んだ養蜂、小規模農業、食品イノベーション分野などの豊かな食文化に焦点をあてて、没入型体験を通じて紹介。万博公式の「平和と人権」ウィークの一部となる取り組み。
⑭ 8 月 4 日〜10 日|ガブリエラ・ミストラル ノーベル賞受賞 80 周年
1945年、チリの詩人ガブリエラ・ミストラルはノーベル文学賞を受賞。詩人、教育者、人権擁護者、外交官として文化をつなぐ存在でした。彼女が示した普遍的価値(平和・教育・相互理解)と日智関係を称えます。
⑮ 8 月 25 日〜29 日|クリーンエネルギーと H2V ウィーク
チリは脱炭素・再生可能エネルギーの先進国です。グリーン水素を中心とした現在および将来の投資プロジェクトと、気候変動に立ち向かう中小企業の技術ソリューションを紹介。
⑯ 9 月 1 日〜6 日|女性の国、チリ
多様で民主的なチリを支える女性たちの物語を通じて、チリの魅力を発信。フェミニスト外交政策(PEF)や女性主導の輸出推進の取り組みにもスポットライトを当てます。
⑰ 9 月 15 日〜26 日|チリワインウィーク
日本でも広く愛されている通り、チリは世界有数のワイン輸出国です。国際プロモーションキャンペーン「Taste the Untamed」に沿って、大自然を五感で楽しむチリワインの豊かな魅力を体感可能。
⑱ 9 月 22 日〜26 日|地球と生物多様性の未来:生物多様性ウィーク
生態系の保全における民間の取り組みを紹介。生物多様性を守ることの国際的な緊急性と、官民・市民社会の連携の重要性を発信。
⑲ 9 月 29 日〜10 月 5 日|クリエイティブ産業ウィーク
過去・現在・未来をつなぐ芸術表現の旅を通じて来場者に没入体験を提供。ビデオゲーム、ボードゲーム、音楽、グラフィックノベルなど、チリの創作における日本文化の影響を感じることができます。
⑳ 10 月 6 日〜10 日|国際協力ウィーク
チリ国際協力開発庁(AGCID)は2025年に創設35周年、日智パートナーシッププログラム 25周年を迎えます。このテーマウィークでは、チリが実施している多様な国際協力の仕組みを紹介。
10 月 13 日|チリパビリオン クロージング
テーマウィーク以外にもこんなものもあります。
・5 月 12 日:チリのナショナルデー
チリの文化の豊かさを示す特別なイベントやプレゼンテーション。
・5 月 13 日:「チリ・フェスト」
音楽・ダンス・文化体験イベントを夢洲の「フェスティバルス テーション」にて開催。
・6 月 14〜18 日:チリ海軍の「エスメラルダ号」が大阪港に寄港
同艦はチリの海軍史を象徴する練習帆船で、日本との海洋における強固な関係を象徴。


