こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
オーストリアパビリオンの3階にあるレストランで開催されたオーストリアの観光PRセミナーに参加したのですが、俄然オーストリアへ行きたくなりました。
「中欧の国」や「音楽で有名」くらいしか思いつかなかったのですが、美しいお城や宮殿が現役で活躍していて、日本からも多くの人が訪れるそうです。国土は北海道くらいで、人口は大阪府と同じで880万人くらい。公用語はドイツ語ですが、観光地などでは英語が普通に通じます。
今回は、首都のウィーンからウィーン美術史博物館、メディアアートのメッカのリンツ市、そして著名な作曲家の故郷であるザルツブルクの3ヶ所について話を聞きました。
ウィーンウィーン美術史博物館は、その建物の美しさに驚き。年間200万人もの人が訪れるというのも頷けます。ルーブル美術館や他の欧州の美術館や博物館は元々宮殿など他の建物として建てられたものを美術館として利用していますが、ウィーン美術史博物館はハプスブルク家が個人的に収集したアート作品を所蔵するために建てられた建物なので、あらゆる面でアート作品を展示、鑑賞するのは勿論、保管、保護するのにも適した作りになっています。

ウィーン美術史博物館の外観©KHM-Museumsverband
カラバッジョのオリジナル作品を3作所有する世界で唯一の美術館であり、ブリューゲルに関してもブリューゲル・コレクションとして12作品と最も多くの作品を所有している美術館となります。

ピーテル・ブリューゲル(父)『バベルの塔』(ウィーン美術史博物館所蔵)©KHM-Museumsverband
関連施設で所有する王冠の中には、1670年に作られたオーストリアで最も価値のある国王の王冠や過去1000年で最も価値のある神聖ローマ帝国の王冠などもあり、ここでしか鑑賞できない貴重なものとなります。

オーストリア帝国の帝冠(ウィーン王宮宝物館所蔵©KHM-Museumsverband
美術館内には図書館や「世界で最も美しいカフェ」と呼ばれるカフェもあり、誰でも自由に出入りして利用できますし、この豪華な室内でアートを眺めながら王宮の雰囲気を堪能しながらコーヒータイムを楽しむことも可能です。

ウィーン美術史博物館のカフェ©KHM-Museumsverband
また、カフェでは毎月ディスコが開催されたり、宮殿で養蜂しているハチで作ったはちみちを販売したりしています。
ウィーンの街では世界中の人がハプスブルグ家ツアーに参加していますが、日本語ツアーもあり、日本人も参加しやすくなっていますし、年間を通して様々なイベントがあったり、宮殿巡りをしたり、と訪問先にはことかかなさそうです。
リンツ
リンツ市は、オーストリア第三の都市で、ウィーンから特急RailJetsで1時間55分の距離。2009年に欧州文化首都に指定され、文化的な活動が多数行われています。そのためメディアアートの街として地位を確立しているのでそこを目指す人が多いのが特徴。

リンツ中央広場の三位一体の柱©Sebastian Scheichl
その中心になる未来のミュージアムと呼ばれるアルス・エレクトロニカセンターでは、世界中から集まった世界最先端のデジタルアート作品を鑑賞できます。

夕暮れのアルス・エレクトロニカ・センターとドナウ川 ©Linz Tourismus
9月に開催されるアルス・エレクトロニカフェスティバルで展示される作品のいくつかは、そのままこのミュージアムで展示されるようになります。
リンツ市の街中で見かける屋外のグラフィティギャラリーである壁画ハーバーには、300の作品が壁などの描かれています。元々は違法な落書きを壁や電車に行っていた人たちが描いた作品の集まりになっていて、リンツを代表するスポット。
また、リンツ市の中央広場から山岳鉄道で20分の距離にあるペストリンク山の頂上にはカフェがあり、リンツ名物のリンツァートルテを味わえます。

リンツ名物、リンツァートルテ©Linz Tourismus/ ms Fotogroup
ザルツブルク
ザルツは塩の意味。ブルグは城の意味。そのためザルツブルクは塩の城ということになります。大司教が1000年に渡り統治した教会国家だった街で、現在はユネスコの世界遺産にも登録されています。

ザルツブルク歴史地区 ©Tourismus Salzburg-GmbH
ザルツブルクは映画「サウンドオブミュージック」の撮影舞台になった街で、モーツァルトが生まれた街です。彼がここで暮らし、この街の空気や自然に刺激されながら作曲活動をしていたそうです。
1756年1月27日にモーツァルトが誕生した際に住んでいた生家が博物館になっていて、子供の頃に弾いていたバイオリンや楽譜が展示されています。7月中旬から8月中旬まで行われるザルツブルク音楽祭が毎年開催され、チケットは争奪戦だそうで、音楽ネタには困らない街のようです。
音楽以外にもレッドブルの本社がザルツブルクにあり、空港にレッドブルの格納庫を所有していて、自由に入場して見学したり、カフェで時間を過ごすことも可能です。格納庫には飛行機だけでなく、F1のレースカーなども展示されているので、地元の人たちは暑い夏の日などには涼みにくるほどカジュアルでオープンな場所です。
他にも今年はサウンドオブミュージックの公開から60周年を記念して、特別なツアーなどが開催されています。

ミラベル庭園(“ドレミの歌”のラストシーン撮影地)©Tourismus Salzburg-GmbH / Patrick Langwallner
旅行者にとってお得なものとして、2枚のカードがあります。ザルツブルクカードは市内の美術館や公共交通機関が無料になるカードなので絶対に購入するべき1枚。もう一枚は、ゲストモビリティーチケットで、ザルツブルク州内に宿泊した人は全員がもらえるもので、滞在期間中はザルツブルク州全域の公共交通機関が乗り放題。
大阪からは直行便はないですが、中東やトルコ経由だったり、ドイツから入る方法もあります。また今回紹介された3都市は、Railjetという高速鉄道で結ばれていて、移動は快適に出来ます。
セミナーの後、パビリオン内に置かれている葛飾北斎の浮世絵が描かれたベーゼンドルファーのグランドピアノ「The Great Wave off Kanagawa(神奈川沖浪裏)」を使って、ベーゼンドルファーの公認アーティストである久元祐子さんが生演奏を披露され、モーツァルトの「トルコ行進曲」や「憧れのワルツ」などに耳を傾けてきました。
その後、オーストリア料理を堪能しましたが、今回は東京からオーストリア料理レストランのEWIGのシェフ菅野眞次さんを招聘して、料理を振る舞っていただきました。
菅野さんによると、「オーストリアは8カ国と国境を接しているので、それぞれの国からその国の料理の影響を受け亭いるため、オーストリア料理は多国籍要素を強く感じます。またオーストリア料理は肉料理がメインですが、パンと何かを合わせた食事が特徴。家庭では、特にディナー時には火を使う調理はあまりせず野菜やソーセージなどの加工品を、パンと合わせる形で食べる傾向がある」とのことです。
今回頂いたメニューは以下の通り。
どれも絶品でした。確かに近隣のドイツ料理やイタリア料理、ハンガリー料理など周りの影響を受けていそうな内容に感じました。
短い時間でオーストリアの文化や歴史、音楽に食とたっぷり体験でき、気持ちはすでにウィーンの街中で美しい景色を眺めている気分です。
皆さんもオーストリアパビリオンを訪れて、同国の空気を感じてみて下さい。そしてその足でオーストリアへ飛び立ちましょう!

