こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
タカラベルモント株式会社は、2025年大阪・関西万博の「大阪ヘルスケアパビリオン Nest for Reborn」ミライのヘルスケアゾーンに、「量子飛躍する美の世界 (Quantum Leap for Beauty World)」というコンセプトでブースを出展します。
1970年の大阪万博では、名だたる大企業に混じって、中小企業だと自認していた同社が一世一代の勝負に出て、パビリオンを出展。黒川紀章氏に建築を、コシノジュンコ氏にユニフォームのデザインを依頼。二人はその後世界へ羽ばたき、同社も押しも押されもせぬ大阪を代表する企業へと成長しました。
今回の展示では、美容と医療が融合した「ミライのヘルスケアサロン」が叶える、内面の美、外面の美を表現し、「真の美しさとは何か?」を問いかける展示です。また、展示ブースでは QRコードを掲載した「ビューティカード」を配布し、デジタルコンテンツへアクセスすると新たな美の概念を考えるヒントとなる情報にもアクセス出来ます。

ビューティカード
コンセプトはQuantum Leap for Beauty World~量子飛躍する美の世界へ~。Quantum Leap(クオンタムリープ)とは、量子力学の言葉で「連続線上にないジャンプ」を意味します。
何度も読み返してみましたが、どうもピンとこず、同ブースをデザインしたコミュニティ・デザイナーであり、立命館大学准教授の山出美弥さんに「コンセプトを一言で言うと?」と訊いてみました。
その答えは「宇宙の新たな美」。もっとわからん!!
そこでもっと突き詰めてきくと「2050年が今回の万博の目指す世界で、その時には宇宙がもっと身近になっているはず。だから宇宙時代の美を「未来の美」として捉え、万博にこそ相応しいと考えた」との答えが。
山出さんいわく、「そこには各自のいろんな美の想いを乗せてもらい、自分なりに解釈してほしい」と言うことでした。
また「この空間に立つと何かが感じられる工夫がされているので、いろんな場所に立って違った見え方を体感して空間を楽しんでもらいたいと考えています」。そして「この空間の中に入って単純に通り抜けずに立ち止まって没入して自分がどう感じるか、を見つめてほしい。自由に感じてほしい」とも。
要は「考える」ということが大事で、ちょっと立ち止まって、この見え方いいなあ、とかこの角度好きだなあ、というフィーリングを感じてもらいたい、と言うことでした。だいぶ柔らかくなってきたぞ!
今回のデザインは、構造物を宇宙に運ぶために小さく折りたたんでロケットに載せる展開構造物=インフレータブル構造に着想を得たもので壁面にも造作を施し、多様な美、個々が考え感じる「真の美」を表しています。
使われている素材は、それ自体が色を持っていて、何種類も色があって、その組み合わせで反射したり、中に反射版が、裏にはLEDが入っているので、展示物からも発光します。音は反射しませんが、空間に合わせた不思議な音が流れているので、それも含めて空間を楽しんでもらうことを期待しているとのこと。
このタカラベルモントのブースは考え抜いたコンセプトで「宇宙の美」を追求し、それを山出さんのマジックで実現しました。
そんな中で他ブースと決定的に違う点が1つあります。
今回の万博のパビリオンやブースの多くは、自社のモノを置いたり最新技術を見せたりしていて、未来の世界を体現していると言うより、自社のPRの様になっているケースが多い様に感じているのですが、同社のブースは商業的な要素は全て削ぎ落として、タカラベルモントの社是である「美しい人生を叶えよう」という、その美しさとは何かを来場者自身に考えてもらえる様な空間になっています。そこで「2050年の世界がどんなものか皆さんで考えて下さい、我が社は何もみせません」という挑戦的な試みです。
「情報過多な昨今、自分から何かを取りに行くという気合いがなくなっているので、自分から取りに行って下さい、と挑戦的にやりました」と山出さんは仰っていましたが、この部分は私も強く感じているところです。
ご自身を「破天荒なので」と笑って語り、そんな人間がデザインしたブースを「破天荒が設計した不親切なブース」と名言(迷言?)を残してくれました。
会話のあちこちで通じるモノがあり、とても楽しい取材でした。
未来を語るにはこういう破天荒な人との方が楽しいですね。
これも万博効果かもしれません。
普通に生きていたら2050年のことなんて考えることはないので、万博は「考える」と言うことにおいて良い機会を提供してくれる存在です。タカラベルモント社も1970年の万博に出展したことで大きく変わった様ですし、今年も多くの企業が参加するので、そこからどんどん変わっていってもらいたいです。
タカラベルモントブースが出展している大阪ヘルスケアパビリオンへの入館には予約が必要です。

