鑑賞せずにはいられない、圧巻の「モネ 睡蓮のとき」

クロード・モネ、京都市京セラ美術館 ※取材にあたり、サービス・商品の提供をいただきました

こんにちは、ぱぱ記者Kenです。

印象派の巨匠クロード・モネの日本初公開作品7点を含む約50点が集う究極のモネ展「モネ 睡蓮のとき」が京都市京セラ美術館で3月7日から始まりました。

モネの作品を集めた展示会は日本各地で行われていますが、今回は少し特別。
今回はパリのマルモッタン・モネ美術館から日本初公開作品を含むおよそ50点、さらに日本各地に所蔵されるモネの作品も加え、モネ晩年の作品を集中的に集めて展示されています。日本では過去最大規模となる睡蓮が集う貴重な機会です

会場内に入って最初に出迎えてくれるのは「ポール=ヴィレのセーヌ河、ばら色の効果」の2枚。ここでまず作品に見入ってしまいます。
背景の紫色の壁と真ん中の光の部分が、2枚の絵を一段と引き立てています。

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

クロード・モネ《ポール=ヴィレのセーヌ河、ばら色の効果》1894年 マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

 

ジヴェルニーの自邸の庭に造られた睡蓮の池の周りで描いた睡蓮やバラの小道、日本の影響を強く受けたモネらしく、日本の橋も多数描かれていて、1つの対象物をこれだけ何度も描いたのだ、と言うことがよくわかります。晩年視力を失っていったモネの視界の変化や彼の画家としての苦悩の姿が見え隠れする様なその作品の変化を見比べられるのも他ではない貴重な機会。
同じ空間に並べられた作品を見ると少しずつ表現が変わって、より抽象的かつ内的なイメージへと変容していくのがよくわかります。

交響する色彩の部屋では、「日本の橋」と言うタイトルの作品が並んで展示されていますが、それらを並べてみると、モネの見える世界の変化がよくわかります。

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

モネ睡蓮のとき」展示風景、京都市京セラ美術館、2025年

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

クロード・モネ《日本の橋》1918年 マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

クロード・モネ《日本の橋》1918年 マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

クロード・モネ《日本の橋》1918年 マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

 

また、「ばらの庭から見た家」と言うタイトルの作品を並べた部屋では、1枚の作品のタッチが濃密な色彩で断続的なタッチで厚く塗り込まれている一方、別の作品ではより流動的な線条の筆で描かれたさっぱりとした感じの軌跡が認められます。

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

「モネ睡蓮のとき」展示風景、京都市京セラ美術館、2025年

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

クロード・モネ《ばらの庭から見た家》1922-1924年頃 マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

クロード・モネ《ばらの庭から見た家》1922-1924年頃 マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

この様な変化を楽しめるのもこの展示会のユニークな点です。

モネは晩年、ジヴェルニーの自邸の庭に造られた睡蓮の池の風景と周囲の木々や空、光が一体と映し出されるその水面を描き続け、巨大な作品によって部屋の壁面を覆いつくす「大装飾画」の構想が、最期のときにいたるまでモネの心を占めることになります。

今回の展示会の中心となるのは、その試行錯誤の過程で生み出された、2mに及ぶ大画面の睡蓮の数々。

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

「モネ睡蓮のとき」展示風景、京都市京セラ美術館、2025年

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

「モネ睡蓮のとき」展示風景、京都市京セラ美術館、2025年

楕円形の部屋の壁を白で統一したところに、様々な姿をした睡蓮とジヴェルニーの庭や池が描かれた作品が展示されています。
ここでもモネの視力の喪失が進行するに伴って、描かれる絵のタッチや色使いが変化しています。

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

クロード・モネ《睡蓮》1916-1919年頃 マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

クロード・モネ《睡蓮》1916-1919年頃 マルモッタン・モネ美術館、パリ © musée Marmottan Monet

クロード・モネ、京都市京セラ美術館

「モネ睡蓮のとき」展示風景、京都市京セラ美術館、2025年

 

モネの作品以外にこんなものも。クロード・モネ、京都市京セラ美術館 クロード・モネ、京都市京セラ美術館

「モネ 睡蓮のとき」は、日本では過去最大規模となる睡蓮が集う貴重な機会。そしてこれほど圧倒的な睡蓮を鑑賞出来るなんて今後あるかどうかもわからないので、この機会にぜひ京都市京セラ美術館へ足を運んでみて下さい。尚、今回の展示会は予約優先制のため、美術館HPからの予約をオススメします。

開催概要

モネ 睡蓮のとき
開催期間 2025年3月7日(金)~6月8日(日)
開催会場 京都市京セラ美術館 本館 北回廊1階・南回廊1階
京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間 10:00~18:00 ※入場は17:30まで
定休日 月曜日 ※ただし4月28日(月)、5月5日(月・祝)は開館
観覧料 一般 2,300円 大学・高校 1,700円 中学・小学 1,000円 ※未就学児無料
予約 予約はこちらから

 

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