こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
以前にハンガリー音楽のパフォーマンスの告知をしたのですが、その舞台を実際に体験する機会に恵まれました。
会場は東ゲートゾーン ポップアップステージ 東外。誰でも自由に鑑賞出来る場所です。開始予定時間の20分ほど前に到着すると、すでにステージ前には人が集まり始めていました。
開始時間になるとステージ前のエリアは人で溢れかえるくらいに観衆が集まっていて期待感が膨らんでいるのがわかりました。
私は少し離れてベンチに座って鑑賞することにしました。30メートルくらいの距離だったと思いますが、音楽は全く問題なく聴くことが出来、大きな傘の下で座っての鑑賞は快適でした。
演奏したのはCsík Bandと言うバンド。結成から37年のベテランバンドで、その功績は国内外で高く評価されており、ハンガリーの文化功労者に贈られる最高の栄誉「コシュート賞」をはじめ、「プリマ・プリミッシマ賞」「ハンガリー遺産賞」「フォノグラム賞」など、数々の権威ある賞を受賞しています。
そんなバンドの演奏が、無料で目の前で予約もなしに聴けるなんてなんて贅沢なことか!と改めて聴きながら思いました。
演奏は1時間を少しオーバーするくらい盛り上がり、その間、休むこともお話しを挟むこともなく、次々と演奏していき、ハンガリー民謡からポップな曲、涙そうそうをアレンジした日本Xハンガリーのコラボ曲など次々と繰り出し圧巻の演奏でした。
そして、最後の曲を演奏中に、なんと花火が打ち上がり始め、最後は花火との共演という贅沢なおまけつき。
ステージ前で腰を据えて演奏を聴いていた人たちは、数百人程度だったと思いますが、行き交う人の中には暫く立ち止まり耳を傾けていた人が多数おり、止まることはなくても通りすがりに気にしていた人も含めると数千人がCsík Bandの音楽を耳にしたと思います。
本当に素晴らしい演奏でした。
彼らがもし単独で日本公演をしたとして、私がそれに気づく可能性がどのくらいあるか、また日時を合わせてチケットを購入して会場へ向かえる可能性はどのくらいあるか。多分ほぼないのでは、と思うと、本当に貴重な経験をさせて頂きました。
そして、私が体験したような経験は誰にでも可能です。同じようなパフォーマンスは万博会場内のあちこちで連日開催されています。
その中で9月にあるハンガリー音楽の予定を以下に記しておくので、興味を持った方はぜひ立ち寄ってみてください。
Parno Graszt9月3日、5日 @ 19:00 – 20:00 東ゲートゾーン ポップアップステージ 東外本場ロマ音楽の魅力を世界に届ける、Parno Graszt(パルノ・グラスト)。
伝統楽器の生演奏、情熱的なダンス、そしてステージ全体を包み込むようなエネルギーで観る人すべてを巻き込みます。彼らのライブは、一度見たら忘れられない体験になることでしょう。
これまでにヨーロッパをはじめ、アジア、アメリカ、メキシコなど世界中で公演を行ってきた彼ら。どこに行っても変わらないのは、音楽と踊りがもたらす“純粋な喜び”です。
結成から30年以上。Parno Grasztは伝統に根ざしながらも、常に新しいスタイルや楽曲に挑戦し続け多彩なレパートリーを生み出してきました。どんな人でも彼らの音楽を楽しめるように、幅広い表現を追求しています。
7人(ときには9人)で構成されるこのバンドは、なんと家族同士。血のつながりがあるからこそ生まれる強い絆と一体感が、彼らのパフォーマンスをより特別なものにしています。
Parno Grasztのライブは、まるで田舎の居酒屋に迷い込んだような雰囲気。ハンガリーの蒸留酒、パーリンカの香り、馬車のきしむ音、ふわりと舞うスカート、木々を揺らす風の音——そんな情景が、音楽とともに目の前に広がります。
その音楽には、ハンガリー民謡をはじめ、リズム&ブルース、ファンク、レゲエ、ヒップホップ、グルーヴなど多様な要素が息づいており、その圧倒的なエネルギーとユーモアたっぷりのステージは、聴く者すべてに笑顔を届けます。
Tárkány Trió(タールカーニ・トリオ)
9月12日 @ 19:00 – 20:00 東ゲートゾーン ポップアップステージ 東外Tárkány Trióは、ツィンバロム奏者タールカーニ=コヴァーチ・バーリントが立ち上げた、ハンガリーの伝統音楽を世界に届けるための特別なトリオです。ツィンバロムとはダルシマーとも呼ばれる打弦楽器で、アジアの遊牧文化とヨーロッパの音楽をつなぐ、ハンガリーに深く根づいた楽器。彼らはその音色を通して、古くて新しい音楽の旅へと私たちを誘います。
Tárkány Trióの魅力は、ただの演奏にとどまりません。バーリントの圧巻のテクニックに加え、ツィンバロムの歴史や伝説的な奏者たちの物語も紹介してくれるため、観客は音だけでなく文化全体を楽しむことができます。
演奏される曲はハンガリー本土やカルパチア山脈、トランシルヴァニア地方など、現地の伝承者たちから直接学んだり、音楽学者のアーカイブから発掘された貴重なレパートリーばかり。失われつつあった音が、彼らの手によって生き生きとよみがえります。
今では多くのバンドがツィンバロムを使ってバルカン系のアレンジを加える中、Tárkány Trióはハンガリー本来の民謡の姿にこだわり続けています。熱のこもった舞曲から、どこか切ないバラード、そして即興演奏まで、さまざまな表情を見せてくれる彼らのステージはまさに唯一無二です。本物のツィンバロム音楽を、ありのままの形で味わいたいなら——Tárkány Trióは、その最前線に立つ存在です。
歌手・ソングライターのサローキ・アーギは、ハンガリーの伝統音楽グループ「Ökrös」や、世界各地で公演を行ったワールドミュージックバンド「Besh o Drom」のメンバーとして国際的に活躍してきました。また、著名なジャズピアニスト、ラカトシュ・ “サクチ” ベーラとの共演でも知られています。
2004年に自身のバンドを結成し、これまでに8枚のアルバムを日本でリリース。2015年には東京のCOTTON CLUBで、ハンガリーのスウィング・ヒットとシャンソンを織り交ぜた特別なレパートリーを披露し、大きな反響を呼びました。
大阪万博では、アーギの原点であるハンガリー民謡を、ジャズの要素を取り入れた特別アレンジで披露します。アーギの深い歌声と、世界レベルのミュージシャンによる演奏が融合するステージは、ハンガリー音楽の魅力を鮮やかに届けてくれることでしょう。

