こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
高知が産んだ謎の天才絵師・金蔵の恐ろしいほど美しい作品を一同に集めた大規模展が開催されます。
絵師・金蔵は絵金さんという相性で呼ばれ、多くの弟子を持ち、狩野派の技法の手ほどきを受けているけど、浮世絵とは違う独自の手法で絵を描く不思議な存在の絵師です。
そんな絵金さんの作品を集めた展示会に、高知出身で高知の事には必ず顔を出さずにいられないまま記者いのっちと一緒に行ってきました。
坂本龍馬などが跋扈する幕末から明治初期にかけて活躍し、多数の屏風絵を描いた絵金さんの絵は、一部が美術館などに所蔵されていますが、その多くは高知県内の神社、あるいは自治会や町内会、公民館などに分蔵されており、絵金の作品をまとまった形で観ることかができる機会は滅多にないそうです。
なぜ神社や自治会などに文蔵されているのかというと、絵金さんやその弟子たちが描いた作品の多くは、夏祭りの数日間、各所の神社の境内や商店街の軒下に提灯や蝋燭の灯りを灯して観賞するという使い方をされているため、それぞれの場所で神社や自治会が所有、管理しているのです。
いのっちのコメントは、高知では夏祭りの時に、野外で披露されているので、夏祭りをイメージしたディスプレイもあり、現地の臨場感を楽しめました。本場に行ってみたいです!
展示会場内では第1章から3章に分かれて展示されており、第1章では二曲一隻の形態になっている屏風絵を展示しています。多くが夏祭りで使用されて傷みが激しかったので修復に出されていたのですが、それらが戻ってきたばかりだったため、新作のように色合いが鮮やかでその迫力に圧倒されそうです。またそれぞれの絵にはストーリーがあり、音声ガイドを使うと詳しく聞く事が出来ます。
第2章では、夏祭りのイメージを最大限再現するために、参道をまたぐ山門型の絵馬台を模した形で屏風絵を展示していたり、絵馬台(台提灯)を通してストーリーが展開していく様子が壁に飾られていたり、5点の屏風を飾るための大型の「手長足長絵馬台」があったりと見応え抜群。
第3章では、屏風や絵巻、軸物以外の絵金の作品と、絵金と深い関わりのあった絵師の作品が紹介されています。武者絵や芝居絵の描かれた横断幕のような幟や白描画と呼ばれる下絵などが展示されています。
絵金は1970年代にも世間の注目を集めて大阪や東京でも大規模な展示会が開催されたのですが、それ以降は高知県外では鳴りを潜め、今回約50年ぶりに注目を集める事になっています。
それだけ作品にパワーがあり、浮世絵とは似て非なるものであり、ユニークな画風・作風で、作者の絵師・金蔵は謎に満ちている、と来れば、これは実際に自分の目で作品を確かめるしかないのでは?
どうぞ、そのパワーに圧倒されて来て下さい。
開催概要
幕末土佐の天才絵師 絵金 | |
会場 | あべのハルカス美術館(大阪市阿倍野区阿倍野筋1-1-43 あべのハルカス16F) |
会期 | 2023年4月22日(土)~ 6月18日(日) |
休館日 | 4月24日、5月8日、22日の各月曜日 ※会期中、展示替えがあります。(前期4/22~5/21、後期5/23~6/18) |
開館時間 | 火~金 / 10:00~20:00 月土日祝 / 10:00~18:00(入館は閉館30分前まで) |
観覧料 | 一般 1,600円/ 大高生 1,200円/ 中小生 500円※税込 |
問合せ | 06-4399-9050(あべのハルカス美術館) |
展覧会公式HP | https://www.ktv.jp/event/ekin/ |
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