こんにちは、ぱぱ記者Kenです。
楽譜をイメージした高さ約16.5メートルのらせん状の木造オブジェが特徴のオーストリアパビリオンは外観も館内も音楽一色!!
外観を象徴する楽譜のオブジェは、林業が主要産業のひとつであるオーストリアらしい演出です。接着剤を使わずにネジでとめており、取り外して何度も使える、環境に優しい建築方法を取り入れています。
館内に入ると、浮世絵が描かれているグランドピアノが置かれている空間が広がっています。このグランドピアノは、19世紀にハプスブルク帝国が日本の皇室にベーゼンドルファー社のピアノを贈ったことにちなんで作られた特注品で、遠隔で演奏できる最新式のピアノなんです。そのため、ここではピアノの自動演奏をBGMにして、壁に投影される映像や写真、文字で2カ国の歴史や繋がりを振り返ります。
ベーゼンドルファー社は、オーストリアで現在もピアノを作り続けている唯一の企業で、ハプスブルク帝国が皇室にピアノを送った頃は200社以上がピアノを製造していたそうです。
また、この浮世絵が描かれたグランドピアノは、世界に15台しかない超限定モノ。ただし、ここに置かれているモノは16台目になりますが、番号的に16番ではなく0番という位置付け。
そして万博終了後には、オークションによって売却される予定なので、実物を見て、音色を聴いて、気に入った方はぜひオークションに参加してみて下さい。
ピアノの上から吊るされているシャンデリアは、1873年に開催されたウィーン万博で展示されたシャンデリアのレプリカ。またこのウィーン万博は、日本が明治維新を経て近代化する中で初めて参加した万博であり、工芸品や美術品など6000点以上を出展し、日本庭園や神社も設置されたこともあって、大きな人気を集め、そこから欧州で日本ブームが沸き起こったという、両国の縁も感じさせます。
次に空間では、ボードとスクリーンがあちこちにあり、タッチスクリーンでゲームやクイズをしたり、タッチ式に画面を進めていき、音楽やオーストリアについて学んだりできる様になています。
最後はハイライトとなる「未来の部屋」で、壁一面に大画面スクリーンが折り重なるようにいくつも並んでいます。この部屋では、設置されたタッチスクリーンの画面を操作して自分だけの音楽を作曲します。
タッチスクリーンは4台あり、4人がそれぞれに17のSDGs目標から1つを選び、独立して操作を進めていきますが、最後は個別に作曲された音楽が、即興でAIによって融合されて1つの音楽として奏でられます。
音楽に詳しかったり、作曲をかじった経験がある人だととても楽しい体験になるのではないかと思います。
オーストリアパビリオンは、館内だけではな終わりません。外へ出て階段で3階へ移動すると、カフェがあるんですが、このカフェの中にも見るべきアート作品があるんです。
カフェに入ると、視界に飛び込んでくるのが屏風絵。これは豊臣時代の大阪城の城下町の様子を描いた「豊臣期大坂図屏風」という絵。豊臣時代のもには徳川によって全て消失したのですが、この屏風絵はオリジナルがオーストリアのエッゲンベルク宮殿の壁に貼られていたものが発見され、そこから同宮殿と大阪城が姉妹城の関係になり、オリジナルの絵からレプリカを複製し、デジタル化してVR体験までできる様になったものがここに展示されています。VR体験は、屏風絵にスマートフォンをかざすと、描かれている人物がまるで歩いているように見える動画が現れます。
また、「豊臣期大坂図屏風」と同じデザインがフェスティバルホールの緞帳にも使われているので、「どこかでみたことがある」と思った人もいるのでは?
もう一つのアートは、「豊臣期大坂図屏風」の左側に壁にある大きなミラーの様な、ガラスケースの様なもの。VRの技術を使って絵画などのアート作品を360度自由に回転させたり、ひっくり返したり、また拡大したりして鑑賞することが出来ます。
有名なアート作品を思いのままに上に下にくるくる回してあらゆる角度からみたり、拡大して絵の細部をじっくり観察したり、と結構遊べます。
アートファンは勿論、アートに興味がなくても楽しめるバーチャル体験になっています。特に子供がするとかなり楽しいし、不思議がるのではないかと思うので、好奇心を刺激するには最高のツールかもしれません。
カフェでアートを堪能したら、最後は階段でもう1階上の展望スペースへ登ることもお忘れなく。ここからの眺望もポイント高し。
パビリオン内で音楽に触れて、カフェでアート作品を自由に鑑賞する、そんな贅沢な体験が出来るオーストリアパビリオンです。

